
弊社は2022年10月11日で設立からちょうど11年目を迎え、設立以来、一貫して感染症ワクチンの開発事業を進めてきました。
お蔭様で令和4年度は、沖縄県企画部科学技術振興からの委託事業「令和4年度 沖縄イノベーション・エコシステム共同研究推進事業(感染症分野)」に採択され、本事業では特に家畜用ワクチンと水産用ワクチンの開発に力を入れています。また、本事業では主に汎用性の高い大腸菌発現系を用いた組換えタンパク質性ワクチンとして、(1)「ウイルス様粒子(VLPs: Virus-like particles)」と(2)「疑似ウイルス粒子(PVPs: Pseudovirus particles)」形成技術にさらに磨きをかけることを目指しています。
弊社のワクチン抗原開発技術は、VLPsの場合でもPVPsの場合でも大腸菌発現系(あるいは酵母発現系)に比較的特化しているため、製薬企業への技術移転が比較的容易であることが特徴です。大腸菌発現系は最もシンプルなため、誰でも容易に扱うことが可能なことに加え、製薬企業にとっての魅力はスケールアップの容易さとコストです。ただし、遺伝子発現系の特徴のみに基づく知的財産権獲得は困難なため、弊社が開発を手掛ける感染症ワクチンの特許性は、あくまでも独自の分子設計に依拠しており、大腸菌発現系を駆使しているということではありません。この弊社のワクチン開発にかかわる特徴に基づき、これまで、国内外の製薬企業と共同研究開発を進めてきました。
昨今、世界的にも家畜動物や養殖魚に対し、その感染症対策にもっと予防ワクチンを活用すべきだという考え方に変わりつつあるように思えます。したがって、ワクチンの重要性が今後さらに増加していくことは間違いないでしょう。このような状況を鑑み、弊社では今後も感染症ワクチン開発に特化した事業推進に努めてまいります。
沖縄県の皆様、そして何よりも弊社メンバーと共同研究開発を二人三脚で一緒に進めて下さっている製薬企業の皆様に対し深く御礼申し上げると同時に、今期もこれまでと変わらぬご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
2022年10月11日
株式会社ジェクタス・イノベーターズ
代表取締役 新川 武